EMURGOは2020年のはじまりにあたり、中国のブロックチェーン業界の現状に関するディスカッションを行うため、ブロックチェーンサービス企業であるTEAMZと共に、ローカルなブロックチェーンコミュニティのミートアップを共催しました。今回のミートアップは、中国政府が公式にブロックチェーン開発の支持を表明したことを受け、現地でのブロックチェーン技術に対する反応や開発状況について、EMURGOの業界パートナーのネットワークや情報資源も活用し、ローカルなブロックチェーンコミュニティに優れたインサイトを提示することを目的としていました。世界中の主要ビジネスや政府団体に対するブロックチェーン技術の潜在的メリットへの認知が高まりを見せるいま、今回のミートアップイベントには、業界関係者やブロックチェーン関連サービスの提供を予定している事業者、中国のブロックチェーン市場について知りたいと考える人など、ローカルのブロックチェーンコミュニティから多様な参加者が集まることとなりました。EMURGOは、開発者や一般の人々に、ブロックチェーン教育の有用かつ基礎的な構成要素を提供することで、ブロックチェーンの利便性を伝え、関係者をCardanoエコシステムに誘導することが重要であると考えています。
ミートアップイベントを共催したTEAMZは、中国・アジア地域との関係が深い日本のブロックチェーンサービス企業です。TEAMZは、アジアをはじめとする世界各国への顧客拡大をサポートする、国際的で経験豊富なメンバーからなるチームとともに、革新的なブロックチェーン企業に対して、事業戦略やソリューションを提供しています。
中国のブロックチェーン業界に対するインサイト
イベントの冒頭では、EMURGOグループのCEOである児玉より、EMURGOの紹介と、Cardanoの世界における導入推進の戦略的な目的についてお話しました。EMURGOは日本、シンガポール、インドネシア、インドでの存在感をさらに発揮しており、ブロックチェーン業界のパートナーやアジア地域のリソースによる強力なネットワークにより、独自の地位を確立しています。EMURGOは、カスタマイズされたシステム開発、教育&アカデミー事業、投資&アクセラレーション事業、アドバイザリーサービス事業により、Cardanoエコシステムをしっかりとサポートしています。
続いて、TEAMZのYanying Deng COOが講演を行いました。彼女は中国人起業家兼弁士であり、ビジネスに携わり、リーダーとして活躍する若い女性の強力な支援者でもあります。以前はIBM Japanでコンサルタントとして活躍し、ソリューションマネージャーのプロフェッショナルとして、多くのプロジェクトを成功へと導いてきました。
中国におけるブロックチェーンの取り組みは進化を続けている
中国のブロックチェーン業界に関するより詳細な知識の提供のため、TEAMZの森園茉莉ビジネスディベロップメントディレクターが、中国市場におけるブロックチェーン業界の活動のタイムラインについてプレゼンテーションを行いました。このプレゼンテーションでは、中国のブロックチェーン業界の最新動向に加え、中国政府が近年、ブロックチェーン技術の導入の意向を示しつつあることが紹介されました。中国政府は、中国元の国際的な地位の向上という国益のために、中央銀行発行デジタル通貨(Central Bank Digital Currency)の導入検討の意向についても言及しています。
2013年から2014年のあいだに、中国のブロックチェーン業界への投資は活性化しはじめ、政府は暗号通貨のリスクについて調査を開始しました。百度やSuning Electronicsなど、中国の従来型のテクノロジー企業が小売りの売買にBitcoin決済を取り入れる一方、BTCChina、OKCoin、Huobiなど、中国の暗号通貨取引企業も事業を拡大しはじめました。この時点では、中国政府はこうした動向について、注意深く見守る姿勢をとったのです。
2015年および2016年には、中国政府は暗号通貨や、その基盤となるブロックチェーン技術について、さらなる調査を展開しました。「ブロックチェーン」という語が政府の5カ年計画で初めて公式に使われ、中国の中央銀行はデジタル通貨発行の可能性について検討を開始しました。
2017年に入ると、中国の大手IT企業はブロックチェーンベースのソリューション開発をスピーディに進めていきました。暗号通貨の取引やICOに対する総合的な規制も設定されたものの、中国のテンセントは2017年4月、ブロックチェーンサービスの構築のためにホワイトペーパーを発行しました。2018年には、次世代テクノロジーの基礎となる要素の一つとしてブロックチェーンを位置づける公式声明を中国政府が発表しています。また、習近平国家主席が先日、ブロックチェーン等の未来の技術に投資をしていくと発言したことが、世界中の注目を集めています。
中国地方政府によるブロックチェーンベンチャーへの多額投資
最後に、EMURGO JapanのCEOである吉田洋介が、中国のブロックチェーン市場に対する詳細な見解をお話しました。EMURGOグループのCBOも務める吉田は、中国をはじめとする各国の市場を頻繁に訪れ、EMURGOのCardano導入推進についてカンファレンス等で講演を行っています。今回も、ブロックチェーン技術の導入にあたって中国の企業や政府から概して好意的な反応が得られたことについて、詳細にご紹介しました。
まず冒頭で、ここ数か月で発表された中国のブロックチェーン関連の重要なニュースをいくつかご紹介しました。広州市は約1億4千万ドルのブロックチェーン企業に対する投資の意向を示す一方、公式のブロックチェーン・アライアンスの設立により中国政府を支援するニュースも報じられています。また、地元のブロックチェーン企業への投資のため海南省が1億4千万ドルのファンドを設立し、中国銀行は27.5億ドルに相当する融資を行うブロックチェーン技術を導入して地元の中小企業を支援することを発表しました。
中国がブロックチェーンを導入する最大規模の市場の一つとなり、ブロックチェーン技術の開発が急速に進むにつれて、中国政府とあらゆる規模の企業のどちらもが、ブロックチェーン導入を重視し、積極的な展開を見せています。アイデンティティ管理、スマートコントラクトによるサービスの効率化、ブロックチェーンベースの会計などは、今後大幅に導入が進むと見られます。また、中国のデジタル通貨は2020年または2021年に提供開始が予定されています。
最後に
近年、中国をはじめ世界の各国が、さまざまな業界へのブロックチェーン技術の導入にますます関心を寄せるようになっています。ブロックチェーン業界の進化とともに、技術革新は展開を続け、Cardanoのようなプロジェクトは実際の製品やソリューションの構築に焦点をあてています。パブリックおよびプライベートのブロックチェーンの活用に対し、多様な観点からの関心が寄せられていますが、ブロックチェーン業界はまだ歴史が浅く、政府や企業などのハイレベル層における認知向上に取り組んでいる段階です。EMURGOはその核となるユニットとして教育事業を展開しており、リサーチ主導のアプローチにより進化を続ける初の第3世代ブロックチェーンとしてCardanoが提供するブロックチェーン技術やソリューションについて、コミュニティの啓蒙の機会を強力にサポートしています。
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EMURGOは、Cardanoをグローバルに発展させる
EMURGOはCardanoブロックチェーンの導入を促すだけでなく、Cardanoの分散型ブロックチェーンエコシステムを採用しているプロジェクトや組織を創出し、投資やアドバイスを行うことによってCardanoブロックチェーンの利便性を向上します。ブロックチェーンの研究開発から得た専門知識および業界パートナーとのグローバルなネットワークを活かし、組織や人材教育等の支援を行っています。
EMURGOは2017年6月に日本で創業し、以降シンガポールやインドネシア・インド・ニューヨークに展開しており、Cardanoプロジェクトの公式な商業化部門として活動しています。Cardanoエコシステムのグローバルな成長、そしてCardanoブロックチェーンの導入促進のためにIOHK/Cardano財団と連携しています。プロジェクトの詳細については、https://jp.dev.indonesia.emurgo.io/ をご覧ください!